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(最新判例紹介)最高裁令和5年10月26日決定 委任状が株式買取請求のための「反対の通知」にあたるか

 

「吸収合併消滅株式会社の株主が吸収合併をするための株主総会に先立って上記会社に対して委任状を送付したことが会社法785条2項1号イにいう吸収合併等に反対する旨の通知に当たるとされた事例」(最高裁第一小法廷・令和5年10月26日決定)

 

会社法785条1項と2項は次の通りです。下線部分が本件判例で問題となりました。

1項「吸収合併等をする場合次に掲げる場合を除く。には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。

一 第783条第2項に規定する場合

 

二 第784条第2項に規定する場合」

2項 「前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主第783条第4項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主を除く。をいう。

一 吸収合併等をするために株主総会種類株主総会を含む。の決議を要する場合 次に掲げる株主

イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。

ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主

 

二 前号に規定する場合以外の場合 全ての株主第784条第1項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)」

 

 

 

 原判決は、反対通知は会社に対してなされる必要があるが、株主総会における委任状は、宛先は受任者であって会社ではないので、委任状の送付は反対通知にはあたらないと判断しました。 これに対し、最高裁の決定では、以下のように判示しました。

   

 

 

 

最高裁の判旨抜粋

会社法785条1項、2項1号イは、吸収合併等をするための株主総会において議決権を行使することができる株主が反対株主として株式買取請求をするには、上記株主総会に先立って当該株主が反対通知をすることを要する旨規定している。その趣旨は、消滅株式会社等に対し、吸収合併契約等の承認に係る議案に反対する株主の議決権の個数や株式買取請求がされる株式数の見込みを認識させ、当該議案を可決させるための対策を講じたり、当該議案の撤回を検討したりする機会を与えるところにあると解される。」

「そして、本件のように、株主が上記株主総会に先立って吸収合併等に反対する旨の議決権の代理行使を第三者に委任することを内容とする委任状を消滅株式会社等に送付した場合であっても、当該委任状が作成・送付された経緯やその記載内容等の事情を勘案して、吸収合併等に反対する旨の当該株主の意思が消滅株式会社等に対して表明されているということができるときには、消滅株式会社等において、上記見込みを認識するとともに、上記機会が与えられているといってよいから、上記委任状を消滅株式会社等に送付したことは、反対通知にあたると解するのが相当である。」

 

下線部分が重要です。常に反対通知に当たるとしたわけではありません!

 

   

 

 

 

 

今回は以上です。また評釈が出てきたら追記したいと思います。

 

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2023年最新版【厳選】商法・会社法のおすすめの基本書・演習書・判例集

こんにちは、コポローです。

今回は商法・会社法のおすすめの教科書・演習書・判例集を厳選して紹介します。

 

商法(特に会社法)は、条文や制度の概要・趣旨の正確な理解が重要です。

良質な基本書でのインプットと、演習書でのアウトプットを繰り返していきましょう!

(※本記事には広告が含まれます)

   

 

 

 

最もおすすめの会社法の基本書です!!

わかりやすい上に、執筆者の多くは司法試験・予備試験の考査委員経験者です。 

 

中級者~上級者のための辞書的テキストです。

実務に出てからも重宝します。

 

 

※レビューより抜粋↓

・検事・判事・弁護士・裁判所書記官・公務員・司法書士行政書士の各先生方が実務会社法の定番テキストとして持っておられる本です。これがないと実務ではお話になりません。

・本書は読んでいていろいろ考えさせられ、知的好奇心を掻き立ててくれる本である。著者が主張する学説については賛否や好き嫌いもあるだろうし、また解説本のように易しくはないが 、会社法や会社というものを考える上で背骨になる考え方を丁寧に教えてくれるという点で群を抜いた良書である。

 

 

 〇田中亘先生の教科書(中級者以上におすすめ)。

コラムが充実しており、先端的です。2023年3月末に第4版が出ました!

一通り勉強し終えた人が、重要なテーマ・論点の部分を拾い読みするという使い方もおすすめです。

※買収防衛策に関する最近の裁判例までカバーされている点で、他の基本書に対して優位性があります。

 

※レビュー(旧版含む)より抜粋↓

・説明が丁寧で、行間を妙に読んだりしなくて良い。好きな文体。

文章は、平易。図表をときおり使いながら、会社法を初学者にもわかりやすく説こうとする姿勢がうかがえる。高度な内容の箇所には★が付されており、そこを後回しにしても理解に不都合のないような配慮もある。人気の理由がうかがえる。個人的には、辞書的に活用したいと思う。

・とにかく、丁寧に書かれています。
・リーガルクエスト、赤白本で省略されているところもわかりやすく書かれています。
・必要にして十分な表現で会社法を解説しており、このように書けば良い点がとれると思わせる
文章があふれています。
・これから会社法を勉強される方、会社法で伸び悩んでいる方双方に有益な本です。

コラムが253もあり、ケースも多く読むのが楽しい本です。コラムでは、難しい問題についても触れられていますが、★印が付いていますので、読み飛ばすことができます。

・他書では書かれていない項目があります(たとえば、株主の共同の利益を図る義務、経済学の諸概念など)。

判例索引には、判例百選と商法判例集判例番号が付され、更に、法令索引もあり便利です。

 

 

 〇令和元年会社法改正の理解に最適です。

中堅・若手の実力のある研究者・実務家が執筆しています。

令和元年改正は、そろそろ予備試験や司法試験でも出題されそうです!

 

 

※レビューより抜粋↓

・改正法の要点を短時間で概観できる優れた書籍です。

 

 

 

商法総則・商行為の教科書としてはこちらがおすすめ。

平易で分かりやすいです。

2023年に第9版が出ました。

 

 

※旧版レビューより抜粋↓

・条文の趣旨を淡々と説明していくスタイルのテキストです。
・学説の対立については、必要最小限で通説に従って説明されます。
・第8版で、民法および商法の改正が、自然な形で反映されることになりました。
・文章は個人的な好みがあると思いますが、近藤先生の文章はよく練られており、読みやすくかつ正確で、誤字脱字は、改正された箇所においても、みあたりませんでした。

・気持ちよく、サクサク読めて、理解しやすい本です。

 

 

重要判例を深く理解するための副読本です。

比較的若い有力研究者が会社法の重要判例について「的確に」解説しています。

 

 

 

※レビューより抜粋↓

内容充実で読みごたえがありました。この分野の判例は事情・背景の理解に時間がかかると思われます。しかしじっくり読むことで必要な感覚が養われると思います。

刑事訴訟法では川出先生の「判例講座刑事訴訟法」(立花書房)が業界では著名です。その会社法版を有斐閣が出したという感じです。
・大変分かりやすく、論点の流れ、事実認定のポイント、学説、射程が上手にまとめられています。
・基本的な重要判例は網羅しています。
・百選より図表が多用されていて、判例の内在的な理解が可能です。
・実務はもちろん、各種資格試験にももってこいの隠れた?名著です。

・内容充実で読みごたえがありました。この分野の判例は事情・背景の理解に時間がかかると思われます。しかしじっくり読むことで必要な感覚が養われると思います。

 

 

〇初学者から使える演習書としては、ロープラクティスがおすすめです。

 

 

※レビュー抜粋(旧版含む)

・演習問題形式で全ての問題が網羅されています。本書を読めば、会社法が得意科目になります。問題に対しての解説を読むことにより、あらゆる会社法の問題に対応できる力がつきます。

判例を題材にして問題点・制度趣旨・論点をしっかりと押さえるための本です。これでしっかりと基礎固めをしたいと思う。学部生にはこの1冊で定期試験対策にはいいのでは。

・百選判例をベースとした設例によって,問題点の抽出と条文,制度趣旨,簡単な結論を解説するものです。1テーマにつき4,5ページとコンパクトにまとめられています。そのため,突っ込みすぎてもはや法律というより株価算定の話に終始するなどのたまにみかける学者本のきらいはありません。

 

 

中級者以上の演習書として最適です。重要論点の多くがカバーできます。

 

 

※旧版レビューより抜粋↓

司法試験に適切な問題が多い。

・2部不要説も根拠薄弱です。特殊な事が書かれてあるわけじゃ有りません。むしろ2部こそやらないと勿体ない!知的格闘のための面白い問題ばかりです。
・六法を引き論理的に考え文献を調べてさらに思考を深めていけます。ワクワクしながら取り組めます。とても素敵な教材です。

 

※なお、解答例が載ってないのが弱点です。論点つぶしには使えます。章末に演習問題および解説がたくさんあり、それを使って答案構成の練習をするのも良いと思います。

 

 

商法全体の重要判例がカバーできます

掲載判例が多く、あてはめまで載っているものが多いです。

2023年秋に改訂されたばかりです。

 

 

※レビュー(旧版含む)より抜粋↓

ロースクール生の感想です。会社法判例集の頂点。必要十分。

・下級審の判例ももれがない。
会社法は地裁高裁でも重要判例が多いので、この点は高く評価できる。

・収録判例は285件におさえながらも新規判例を18件、削除判例を21件、近年の企業買収防衛策の複雑化にこたえるため5件の新収録判例を加えてある。初版からこの9版まで商法分野の基本判例のセレクトは職人技である。初学者にとって分野別判例集を何冊も小脇に抱えていかなくても基本判例で必要なモノはほぼ網羅されている。判例の最後の方にそれぞれの執筆者の先生のコメントと称する設問があるのだが、これが初学者には結構効くものばかりである。版を重ねるほど人気があるわけだ。じっクリと基礎を固めたい諸兄にお勧めの判例集一冊本である

 

 

 

定番の判例集です。会社法判例百選は解説も良質との定評があります。

 

 

 

※レビューより抜粋↓

・あらゆる法律の試験ではとにかく判例が大切。特に百選に載っている判例は、どこから出題されても文句は言えない。特に会社法は伝統的な最高裁判例以外に最近の下級審裁判例も論文ネタになりやすいので、サクサク潰していくのに役立つ。会社法をマスターするために必要不可欠な一冊。

 

 

初学者や会社法が苦手な人におすすめの判例集

基本的な判例を百選よりも丁寧に説明してくれています。

 

 

※レビュー抜粋

分かりやすいだけでなく、会社法の学習上分かったつもりになりがちなところ(分からないではなく、分かったつもりが学習上一番危険)をやさしく、しっかりほぐしてくれます。会社法をこじらせてしまった方は、ぜひこの本でリハビリして会社法をもう一度勉強してみてください。読後、明らかに会社法学習のモチベーションが変わります!

・百選は独学科目だと取っ付き難いところもありますが(私だけかもしれませんが)、この本はめちゃくちゃ簡潔でわかりやすい!読みやすい!カタカナの判例は現代語に訳してくださっていてありがたい!もうしんどいって時は読み解きポイントと判旨を読むだけでも勉強になりました!
・大学1年の時に出会いたかった本です。ロー生になった今でも何回も読み直しています。買って本当に良かった1冊です

・非常によくまとめられており、会社法で取り上げられている基本的な演習問題をほぼ網羅された内容となっている。また、はしがきに記載されているとおり、法務とは無関係の人にもわかりやすい記述となっている。勿論、内容は一定以上のレベルも確保されている。また、欄外の説明も、ちょっと字が小さいけど、分かりやすく、理解を助けてくれる。色々な基本書を読んで、もやもやしている人や初学者の人は是非購入すべきと思います。久々に、すばらしい書籍に会えてワクワクしています。

・司法試験及び予備試験の論文式試験対策として最も優れた会社法判例集であると思います。なぜなら、学生には最もなじみにくい科目のひとつである会社法判例について、数を絞り、具体的なイメージが湧く形で簡明に解説されているからです。会社法判例集として最も著名な書籍である『会社法判例百選』を利用する前に、又はそれと併用して、利用するとよいと思います。

   

 

 

 

今回の記事は以上です。

本記事は随時更新していく予定です。

それではまた!

 

他の科目のおすすめの基本書・演習書等は下記記事をご覧ください。

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2023年最新版【厳選】行政法のおすすめの基本書・演習書・判例集

こんにちは、コポローです。

今回は行政法のおすすめの教科書・演習書・判例集厳選して紹介します。

行政法は最近、基本書や演習書が充実してきましたので、迷われている方も多いかと思います。

本記事が少しでも参考になれば幸いです(*^-^*)

(※本記事には広告が含まれます)

 

行政法の入門書としてはストゥディアがおすすめです☟

行政法が苦手な方の復習・補強用にもおすすめ!

 

 

2023年3月に第3版が出ました!

※旧版レビュー抜粋

膨大な行政法をこの分量にまとめるだけですごいが、中身は薄くなっていない。必要なことはちゃんと、少し応用的なことも端的に書かれている。これくらいの知識を押さえたら、あとは問題演習で知識を洗練させればかなり戦える。最初の一冊としても理想的な本。

実に平易で、端的です。それでいて知りたかったことが、きちんと書いてある。
例えば、執行停止の申し立てや決定があった場合に、内閣総理大臣が裁判所に異議を述べることができる(行訴27条)という制度がある。最初、「なぜ、こんな制度があるの?」と疑問に思った。私の一冊目のテキストには理由が書かれていなかった。そのあと買った上下2冊の有名基本書には載っていたが、これが私にとっては詳しすぎて分かりにくい。本書は、222ページのコラムに書かれている。やはり平易で、端的に。出会いに感謝する一冊です。これを一冊目にできた人はラッキーだと思う。

ロースクールでの学習に基本書と併せて使用しています。ロースクールで入門書使ってるの?と疑問に思われる方もいると思いますが、本書は、基本行政法等の定番の基本書では説明されていない、あるいは、あまりに端的に記述されているためきちんと理解できない事項についてわかりやすく説明されています。行政法が苦手な方におすすめです。

 

 

行政法教科書として最もおすすめなのは、こちらです↓

 

 

この本の記載を自分の言葉で再現し、事案に即して法令の仕組みを解釈し、あてはめられれば、それで司法試験・予備試験はパスできます。それぐらい受験生フレンドリーな教科書です
・司法試験のために必要かつ十分な知識を身に着けることができると思います。それでいて難解な記述はなく、講義を聞くような感覚でサクサク読むことができますし、試験対策上立ち入らなくてもいい(でも学説上は議論がある)ところは必要最小限の説明にとどめてくれているというのもありがたいです。

・軸となる教科書は何周も回すことになるため、何が書いてあるかよりも何が書いていないか(余分な情報が省かれているか)が重要だと思うのですが、本書は情報の取捨選択が本当にうまいと感じました。
・この本を読みつつ、過去問や、中原先生が共著者となっている事例研究行政法を解き進めていくというのが、今の司法試験・予備試験論文式試験対策の王道なのではないでしょうか。

設例を通じて行政法理論を説明するので、理論の使いどころが頭に入りやすい。判例のキーフレーズなど重要事項が太字なので、いやでも覚えておくべきことが目に飛び込んでくる。個別法の条文が多めに記載されており、六法をめくらずに済むので集中力が途切れない。行政法初学者の自分でも、飽きずに通読できた。学習用テキストとして、評判が良いのもうなずける。

 

 

〇こちらの教科書も定評があり、おすすめです。コンパクトで繰り返し通読するのに最適!

 

※レビューより抜粋↓

行政法の理論が、分かりやすく、かつコンパクトに説明されています。大切な事柄は青色で強調され、見ためにも配慮されています。

・個人的には、数ある行政法の基本書の中で一番読みやすいと思いました。

・本書は、ページ数(文字量)を抑えつつも情報量が確保され(つまり良くまとまっており)、標準的な立場から説明されており、多くの箇所で整理された上手い説明がなされていると感じる。

 

 

行政法演習書として最もおすすめです!

 

 

 

※レビュー(旧版含む)より抜粋↓

・第4版では、全問詳細な解説がなされており、自主学習に使いやすくなっている行政法は事例を読み解くことで理解できる分野であるから、全問解説付きとなったことで、行政法学習により適した書籍となったといえる。

司法試験受験生必携。極めて実践的かつ基本から行政法学べる名著行政法をマスターしたい者はとにかく早いうちからこのテキストを解くべき。

行政法における仕組み解釈を学ぶ上で必読の一冊だと思います。私は、行政法が苦手で、特に根拠法令などを読むのが嫌いでした。しかし、この本を読んだおかげで、根拠法令の読み方なども習得でき、行政法が非常に面白い科目であることを知ることができました
・コラムが充実している点もおすすめです。たとえば、何でもかんでも行政裁量で書けばよいと思っている人は是非本書を読んでください。コラムを読めば今まで勘違いしていた部分などの理解がいっそう深まると思います。

・本書は、それほど難解ではないが基本的なエッセンスが詰まった良質の問題が収録されている。
そして、解説も、司法試験に関わる気鋭の学者が多く、実践的で痒いところに手が届くものとなっている。
・多くの受験生はこれを使うと思うが、逆に言えば使わないのは危険である。試験とは、みんなが
出来るものは絶対に落としてはいけないのが鉄則だからである。
これほど良質な問題を良質な解説付きで出来る本書は、必須レベルのお勧めである。

 

判例を題材とした演習書として、最近刊行された下記の本も超おすすめです。

中原先生ご執筆で、『基本行政法』との相性も抜群です。

 

 

※レビュー抜粋

行政法は通則的な法律がないので、判例が極めて大事だということはご存知でしょう。司法試験では、必ず判例を素材にした問題が出題されます。本書は、判例を素材とした事例問題集です。解答、解説が付いています

判例百選では、事案、判文が短く、学習者にとっては、解説もやや難しく感じる方もいらっしゃるかと思います。しかし、本書の判例に関する記述は事案も分かりやすく、判文も分かりやすく全文記述されています。補足意見、反対意見の解説も含めて書いてあり、判例について「目から鱗」の深い理解ができました。

・事例問題の解説も判例の知識を深めてくれました。本書の帯に書いてある通り、本書は「判例学習を明快な解説で深く、広く、立体的で精緻に発展させて完成させて、事例問題を正確に解く力が身につく。」画期的な本です。

 

〇予備試験の過去問を題材に詳しく解説する演習書として、おすすめです!

2022年10月に第2版が出ました。

 

※初版レビューより抜粋↓

・定評ある演習書をお書きになっている土田先生による予備試験論文式試験行政法の解説書です。
・記述の信用性は抜群ですし、基本的なところを出発点にして説き起こしてくれるので読んでいて迷子になることも一切ありません

・また、過去問のみならず関連する発展的論点を付随的に検討させるという構成も学習的な配慮が行き届いており良いと思います。

それに実戦的な参考答案までついている。「ご高説賜り大変ようございました、でも結局どうやって答案書くのよ」という学者演習書にありがちな(そして致命的な)欠点は本書にはありません。

 

 

行政法判例集としては、下記の2冊がおすすめです。

 

※レビュー(旧版)より抜粋↓

本書は、「ノート」の名に相応しく、繰り返し読むのに最も適した判例集だと思う。刑訴法の判例ノートよりもフォントが大きく、文字が少なく、解説が少なく、判決文の引用は長い。行政法の特性を踏まえた適切な編集だと思う。
・本書の掲載判例数は、ケースブックを超え、百選と同程度であるが、もし「通読」するなら、本書は百選・ケースブックの半分以下の時間・労力で済む。百選のような詳細な解説はなく、ケースブックのような詳細な事実紹介や少数意見の掲載がないからである。

 

 

 

定評のあるケースブック(2022年に第7版が出ました)

※旧版レビューより抜粋↓

判旨を長めに読みたい場合や、百選解説はあまり読まない場合はこちらの方が使いやすい。

・判旨が長いので、最高裁が立てた理屈が見えやすい。

判例のまとめ方も秀逸で、時系列になっているのも使いやすい。判例のインプットとしては十分。

 

 

司法試験の過去問を小説形式で分かりやすく解説してくれている、こちらの2冊もおすすめです(先にⅡの方から読むのもアリです)!

 

→平成18年から25年の司法試験行政法の過去問をわかりやすく解説

※レビュー抜粋

原告・被告の主張反論形式でひじょうに読みやすいことに加えて、誘導へののりかたがとてもうまい点が参考になります。このあたりは学者の先生があまり論じていないため、受験生心理に応えるものだと思います

・勉強になりました。司法試験の行政法を解答するうえで、自信を持った合格者の方の書籍だと思いますが、司法試験の行政法で、求められている水準を知るうえで参考になります。

 

 

平成26年~令和元年司法試験論文試験の解き方を指南。出版社いわく「裁量基準、原告適格など受験生が悩みがちな論点を掘り下げて解説。個別の処分根拠法規だけでなく、憲法や関連法令も含む実質的な処分根拠法規の意味内容を探究し、「仕組み解釈」の技術を会得できる。」

 

※レビュー抜粋

行政法に関する試験問題を小説風に解説しているので難しい専門用語も多いですが意外に内容がわかりやすくて良かったです。挿絵も独特の美しさがあります。

簡潔に方法論がまとまっているためコスパは悪くない。非常に読みやすく、目を通すだけなら2時間程度でよめる。その後、1題2~3時間程度かけて問題を解いていくと良いと思う。本書だけでは演習量が不足するので事例研究等で本書のメソッドに沿って答案を作成すれば良い。優秀なひとは、教科書、判例集、本書でも司法試験に受かってしまうのだと思う。受験生で、行政法が苦手な人はお勧めです。その際はⅠも読むと良いでしょう。

 

 

〇最後に、副読本として、最近出た下記の書籍がおすすめです。

 

 

執筆陣は、伊藤建 =大島義則 =橋本博之と超豪華!

以下、出版社の紹介文です☟

行政法紛争事例の考え方をわかりやすく示し、行政法解釈で用いられる技法を余すところなく解説します。大学・法科大学院の定期試験、公務員試験、予備試験、さらには司法試験まで、これ1冊で行政法の事例問題が「解ける」「書ける」ように、3名の著者が徹底的に議論して3つの「行政法解釈の技法」をまとめました。
 第1章では、実務家の視点から、行政法の事例問題をモデル化して分析する技法(4段階検討プロセス×4つの主要行政紛争モデル)を解説します(行政紛争処理の技法)
 第2章では、高評をいただいた弘文堂スクエアの連載(「行政法を学ぶ」)を再構成して、キーとなる法的仕組みと判例に即して行政法解釈の技法を解説します(主要論点における行政法解釈の技法)
 第3章では、第1章・第2章の技法を用いて、平成23年から令和4年までの予備試験問題を素材に論文起案の技法を解説します(予備試験・論文起案の技法)。単に予備試験問題にとどまらない行政紛争の解決力を身に付けることができます。
 図表を駆使したわかりやすさ・明快さを追求し、事例問題へのアプローチの方法、具体的な問題の考え方・書き方、起案例などを充実させました。理論・実務・教育のすべての面において、行政法の新たな地平を切り拓く内容です。」

 

※レビュー抜粋

どう書くかが分かる。いくら高尚な議論しても、答案に反映できなければ無意味。
無駄なく必要十分な答案に書くべき事項が分かる

 

 

今回の記事は以上です。

本記事は随時更新していく予定です。

それではまた!

 

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【2024年度(令和6年度)版】六法の選び方(ポケット六法、デイリー六法、判例六法、司法試験用六法などのうち、どれがいいのか?)

こんにちは、コポローです。

今回は、学習用六法の選び方について解説します。

どの六法を使うかは、全科目に関わりますし、実はかなり重要な問題です。

本記事を参考に、各自に合った六法を見つけていただければと思います!

 

(※本記事には広告が含まれます)

 

 

 

 

①ポケット六法(有斐閣

・大学やロースクールの試験・入試等でポケット六法が貸与される場合、普段の学習にもポケット六法を使うのがおすすめです!

 

ロースクール入試でポケット六法が貸与されるのは、私の確認したところでは、以下の大学です(最新の状況は各自で確認していただければと思います。変更を御存知の方は、コメント等でお知らせいただければ、大変ありがたいです)。

一橋大学東京大学大阪大学中央大学東北大学立命館関西学院日本大学

 

②デイリー六法(三省堂

・収録法令、分量、価格に大きな差はありません。

・ポケット六法と比べると、次のような特徴があります。

 ・フォントが見やすい

 ・条文のかっこ書きに網かけがされており、読みやすい(特に会社法など)

  ※網かけは、人によっては読みにくいと感じる人もいるようです。

 ・会社法の定義規定参照が便利

 

大学やロースクールの試験・入試等でデイリー六法が貸与される場合、普段の学習にもデイリー六法を使うのがおすすめです!

 

ロースクール入試でデイリー六法が貸与される大学は次の通りです(最新の状況は各自で確認してください)。

京都大学早稲田大学学習院大学明治大学

 

京都大学では、毎年、ロースクール入試だけでなく、学部試験・ロースクール試験でもデイリー六法が貸与されています。

 

※司法修習の二回試験でもデイリー六法が配布されます。

 

判例六法(有斐閣

 

 

 

 

判例つきの六法で、実務に出てから、調べものをするときに便利です。

・しかし、条文を探すときに判例が邪魔で、学習用の六法としては使いにくいです。

・ただ、まとめノートとして使ったり、短答の勉強用に使うという使い方もあります(ここは各自の学習スタイルによりますね)。

 

 

④法学六法(信山社

 

 

おすすめポイント

・軽くて持ち運びに便利!!

・価格も安い!

・基本的な法律を勉強する人(初学者)にお勧め。

 

デメリット

・掲載法令が少ないので、科目によっては十分に対応できないことがある(まあ、ネットで調べればよいともいえます)

・小さいので枕には不向き(笑)

 

⑤司法試験用六法(第一法規

司法試験本番で使われるもので、毎年4月上旬に発売されます。

 

↑こちらは令和5年版です。

 

おすすめポイント

・慣れることで、司法試験の本番において有利

・活字が大きくて読みやすい

・条文以外の余分な情報がなくシンプル

・大きいので枕としてちょうどよいかも(笑)

 

デメリット

・使わない法律が結構多い

・見出しのない法律がある(刑事訴訟法など)

・条文のあとの注記等がないので、学習には使いにくい面もある

・重い

・比較的高額

 

法科大学院試験六法

 

 

・一部の法科大学院の入試で使われる六法です。

・私が確認したところでは、慶応大、東京都立大、法政大のロー入試で使われているようです(最新の情報は各自で調べてみて下さい)。

・これらのロー入試を受験される方にはおすすめですが、そうでない方には、あまりおすすめしません。

 

結論

・個人的には、ポケット六法とデイリー六法のいずれかをおすすめします。

・特に、大学やロースクールの試験や入試でどちらかが貸与される場合は、そちらを使いましょう。使い慣れていない六法は、やはり使いづらいです。

使い慣れた六法だと、試験本番でも条文を引くスピード・読むスピードが落ちず、他の学生・受験生に差をつけることができます。

 

ロースクール入試でポケット六法を使用する大学

一橋大学東京大学大阪大学中央大学東北大学立命館関西学院日本大学

 

ロースクール入試でデイリー六法を使用する大学

京都大学早稲田大学学習院大学明治大学

 

試験で使用する六法の指定がない場合には、デイリー六法とポケット六法のいずれでも構いませんが、読みやすさの観点で個人的にはデイリー六法がおすすめです!!

 

判例六法(有斐閣は、実務に出てから便利に感じますが、学生・受験生の段階においては、使いにくかったです。条文をさがすときに、判例が邪魔でした。

ただ、判例六法をまとめノート代わりに使う人や短答の勉強用に使う人もおり、一つのありうる使い方だとおもいます。つまり、勉強スタイルによっては「使える」面があります。

 

法学六法(信山社は、コンパクトで持ち運びに便利ですが、掲載法令が少ないので、あまりおすすめはしません。初学者の方や基本法のみ勉強される方には、選択肢になりえます。

 

司法試験用六法は、司法試験の受験前に、使用するのはありです。しかし、重い・使いにくいなどのデメリットが大きいので、司法試験受験前以外には、おすすめできません。

 

今回の記事は以上です(追加情報等あれば順次更新します)。

それではまた!

 

 ※いろいろ試しましたが、個人的にはデイリー六法が最も使いやすいです!

 

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2023年最新版【厳選】民事訴訟法のおすすめの基本書・演習書・判例集

こんにちは、コポローです。

今回は民事訴訟法のおすすめの教科書・演習書・判例集厳選して紹介します。

民事訴訟法は、手続の全体像や、各種の基本概念・用語の正確な理解が、大前提として重要です。

そのうえで、判例の内在的な理解(複数の判例の整合的な理解)が求められます。

今回は、こうした観点から、学習に有益な基本書や判例集を選びました!

(※本ブログには広告が含まれます)

   

 

 

 

〇最もおすすめの教科書です。

民訴の教科書の中では、比較的コンパクトで、わかりやすいです。

なお、著者の一人である菱田先生は令和5年度司法試験考査委員です。

 

 

2023年3月に第4版が刊行されました!

※レビュー(旧版含む)より抜粋

・本書は最新判例から百選レベルまでの判例を網羅しており、具体例がわかりずらい民事訴訟法の理解が、わかりやすい判例の解説を通じて、かなり深まる。

・安易な制度の説明にとどまることなく深い問題(論点)まで言及されている。「すこし詳しく」で、民事訴訟法の現代的で実務的な問題にも適時触れてあり、ますます興味深く知的好奇心が刺激されると共に他書には書かれていないこともつぶせます。

わかっているつもりだけど、法学部生以外の人に説明するのが難しいことが、本書では分かりやすく、しかし深く説明している。

・多数当事者関係もわかりやすく、多数の紙面をさいて説明してあり、まさに、眼からうろこです。

・本書はナンバリングも細かく打たれており、他制度とのつながりを意識できるように参照し易いつくりになっており、学生に優しい仕様になっています。
・内容面に関しては、全体的に豊富な具体例があって、わかりやすくなっていると思います。
・民訴は、定義や趣旨に関してはキーワードだけでなく、具体例ごとまる覚えするほうが近道だと思います。また、試験の傾向としても、アカデミックな要素が強いですが、本書はどちらも申し分ないと思うので、とてもいい教科書だと思いました。

 

 

〇こちらの教科書もわかりやすくおすすめです!

 

 

※レビュー抜粋

この本のおかげで、民事訴訟法への苦手意識がなくなりました
・括弧書きによってかなり基本的なことまで補いながら読むことができます。初めのうちは煩わしく感じたこともありましたが、知らず知らずのうちにこの括弧書きにかなり助けられながら読み進んでいることに気が付きました。
何より、図解が秀逸で、文章のみでは理解が甘くなっていたところも図によってしっかり理解を確かめることができますおすすめです!

・本書は、受験用テキストとして秀逸と思います。また、民事訴訟法の入門書としても優れていると思います。

 

 

判例集については、判例百選が定評があり、おすすめです。

2023年秋に第6版が出ました!久々の改訂のため、要チェックです。

 

 

レビューより抜粋

・第6版では解説の執筆担当者を大幅に入れ替えている。
・第6版で新しく取り上げられているのはNo13・27・40・50・55・60・61・63、Appendixの7・11・31・38である。平成25年以降の最高裁判例を中心にフォローされている。

 

 

〇最近出たこちらの判例集も非常におすすめです!

 

掲載判例数が百選よりも多く、一流の教授(山本和彦先生)が単独で解説を書かれています!

※レビュー抜粋

・本書は百選に載っていない重要判例について解説されているという点で非常に有益です。
・さらに、百選に載っている判例についても、百選と異なる視点から解説されているものがあり、立体的な理解に役立ちます。
・ただし、ときどき(独)自説に立った解説がされているので、通説的な見解を知りたい方は、百選・体系書・「民事訴訟法の争点」等を確認した方がよいと思います。

・試験問題に「判例を踏まえた」論じるよう明示される昨今、判例学習は必須。250は多い気もするが、解説から読むと、直ぐに終わる。というか、事案が雑な部分もあり、事案の把握に時間を浪費する。

 

 

〇演習書は下記の2冊が非常におすすめです。

①基礎演習民事訴訟

 

※レビュー(旧版含む)より抜粋

司法試験の民事訴訟法は、他の科目と異なり、判例の理屈を知っているだけでは答えられない問題が出されることが多いです。そのため、民事訴訟手続上の各制度について、基本となる理論を身につける必要があります。この本は、そういった用途に向いていると思います。
・この本は、具体的な事例をベースに論述が進められていますので、比較的読みやすいと思いますまた、事例演習ではロープラクティス民事訴訟法などの類書もありますが、この本のほうが論述が深いので、より試験向きといえます。
・個人的にはロープラよりも記述が厚く、自分の論証をイメージしやすかったので、好きです。
・問題ごと答案構成して解説を読むという形で読み進めていくのがおすすめです。解説もかなり読みやすいのでスラスラ行けます。民訴を一通り勉強したがいまいちよくわからないという方は是非読んでみてください!!

 

 

②事例で考える民事訴訟

 

 

法学教室で大好評だった連載を単行本化したものです。

著者の一人である名津井先生は令和5年度司法試験考査委員です。

※レビュー抜粋

・難解な民事訴訟法を分かりやすく解説している。既判力や二重起訴はもちろん、当事者適格の解説が目から鱗だった。司法試験対策にも必携。

 

 

〇重要な基本判例を題材とした、こちらの副読本もおすすめです。

初学者向けですが、民訴が苦手な方や、中級者にも学びが多いです。

 

 

※レビュー抜粋

多数の判例があるなかで、20-30程度の判例について学説や通説とともに丁寧に解説されています。学習者によっては、詳細な解説を希望する人がいると思いますが、判例の基本を学ぶのに好適な書籍です。

・民訴でありがちな読みにくさが無い。

・基礎的な本なので、学生向けですね。癖がなくサラッとした文体(面白みがないとも言える)。
・もっとも、基本として書かなければならないところや構成がしっかりしていて、普通に読みやすい。取り上げてある判例の選択は、「基本」判例という観点からは、特に違和感はない様に思います。

・長谷部先生、良い本をおお書きになられたと思います。
・ケースブックや演習書の編集もやっておられるので、学生諸兄が躓きやすいところをしっかり説明してくれてます。35ケースぐらいで足りるのかというご意見もあるかと思います。しかし、ちゃんと読めば200近くの民事訴訟判例を上げてくれているのがわかります。長谷部先生の文章は口語体で簡潔に記されていますから、民事訴訟法の概念学習がある程度、進んでおられるのなら早く読めるはずです。

   

 

 

 

 

 

 

今回の記事は以上です。

本記事は随時更新していく予定です。

それではまた!

 

他の科目のおすすめの基本書・演習書等はこちらです。

 

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2023年最新版【厳選】刑法のおすすめの基本書・演習書・判例集

こんにちは、コポローです。

今回は刑法のおすすめの教科書・演習書・判例集を厳選して紹介します。

※刑法は、ある程度の基本事項を理解したら、事例演習を繰り返すことが上達の近道なので、演習書を多めに紹介しています!

(本記事には広告が含まれます)

 

 

〇最もおすすめの総論の教科書です。

 

※レビューより抜粋

本書には共著に懸念されがちな記載ムラは感じられませんでした。むしろ、基礎に徹して読者の理解を最優先にした丁寧な記述がすばらしいと思いました。本の帯には判例に準拠などと書かれていましたが、学説への言及も必要な範囲で行われ、「判例は〇〇説に親和的」などの解釈指針も提示されています。

初学者の最初の一冊に最適でしょう。

・非常にわかりやすい教書です。総論は学説が多いがうまくまとめてあり、頭に整理しやすいです。

 

 

〇最もおすすめの各論の教科書です。

※レビュー(旧版含む)より抜粋↓

・本書は「法曹実務家を目指す諸君」を対象としており、司法試験受験生にとっては刑法各論を押さえるのに必要十分な内容となっている。

・刑法各論はこれ一冊で十分。司法試験受験生はおよそ全員が目を通していると思われる。受験生はもちろん、学部生も期末試験に向けて使うことができる。
・各論は学説への配慮が、総論に比べては少なくて済む分野である。この本で各構成要件の基本的な考え方を把握しつつ、判例の立場を抑えれば司法試験には対応できる。

法学部生、ロースクール生、ロースクール入試・予備試験・司法試験の受験生は、とりあえずまずこれを1周して固めるべき。予備校の講義や教材よりよっぽど優れているよ。

 

副読本として、こちらもおすすめです。

R4年司法試験委員でもあった橋爪先生による分かりやすい解説本です。

2022年12月に「各論」版も出ました!

  

※レビュー(総論)より抜粋↓

・理論的な深みはありつつ、試験向きな内容になっているなぁと思わせられる内容だと感じます(単行本化でより整理された読みやすい内容になってます)。
・本書の1番のいいところは判例を置き去りにしないという点でしょうか。本書は判例を基礎に据えつつ、判例と学説を接合し、かつ実際の判断(≒答案)においてどういった事実・要素が結論への道を分けることになるのかといったことにも丁寧に言及されており、実際の答案に活かせるポイントに溢れています。これをちゃんと読み込んでおけば答案の書き方で迷うことも少なくなってくるはずです。
・今の受験生の選択肢として、本書を読まない手はないんでしょうね(刑法の副読本はこれに始まりこれに終わるということでいいのでは)。

特に司法試験受験生ならば是非とも熟読しておきたい。刑法総論の副読本の新たなる決定版である。ただし、論点を深掘りしていくという性質上、本書には、刑法総論の全体的な理解が進んでいなければ咀嚼することが難しい部分も含まれている。少なくとも標準的な教科書を数回通読し、それなりに視野が広がっている段階で挑戦することが望ましい。

 

 

〇中級者以上には「応用刑法」もおすすめです。

2023年2月に総論が出ました。各論は、法学セミナーで連載中です。

 

 レビュー抜粋☟

・「応用」とは基本を応用する力という意味であり、基本刑法と一緒に読める最高の論点解説本

・答案の書き方がよくわかる本

 

 

判例集については、判例百選が定評があり、おすすめです。

  

kindle版(少し安い)もあり、なかなか便利です。

 

 

判例百選は解説の質にバラツキがあるため、比較的少数の執筆者で解説の質が安定している判例ラクティスシリーズもおすすめです。掲載判例数が多く、解説もコンパクトなのが特徴。

  

※レビュー(旧版含む)抜粋

・重要な事項には概観解説を設け1人の人にテーマにくくった判例を解説して具体的に理解できるようになっています。もう百選でいいという時代は終わったのではないでしょうか。

判例で問題となった点がピックアップされ、解説も争点ごとにコンパクトにまとめられており、通説を意識して書かれている点でとても使いやすいです。ローの試験勉強や新試の試験前の復習にも最適だと思います

判例ラクティスの刑法はわかりやすい解説で良い。私は判例100選と併読しています。このプラクティスは判例が540も載せてあるので、読んでて楽しいです。事案から自分なりの考えを練っていけるのがいい。ただ判例100選と比べて説明がシンプルであるのが、わかりやすく頭に入りやすい。

 

 

〇初級者向けの演習書としては、Law Practiceがおすすめです↓

判例を基礎に事例を用いて重要ポイントを平易に解説した演習書で、法学部生、法科大学院未修者などの自学自習用教材として最適です!

 

※レビュー(旧版)より

学部生かロースクール1年生向きかもしれないが判例から刑法演習をするならいいと思う。行為無価値を採用する人向けかな。

 

 

〇最近出た、こちらも、初級者~中級者向けの演習書として、おすすめです!

今後司法試験考査委員になるであろう若手有力学者による実践的な演習書です(^^♪

 

 

〇中上級者向けの演習書は、こちらが極めて良書です。

※レビュー(旧版含む)より抜粋

・今日では、刑法の分野においても様々な演習書が刊行されているが、網羅性や汎用性という点で本書よりも優れた演習書は一冊も存在しないと断言してよかろう。
・本書に収録されている全ての事例について、問題の所在と判断枠組みを精確に理解することができれば、司法試験においても明快かつ鋭い論述ができるようになるだろう。
・収録されている問題は、必ずしも難問ばかりというわけではないので、司法試験の過去問と同様に、なるべく早く着手するのがよい。

司法試験のネタ本と言われており、過去の出題にはそっくりの問題が見受けられます。
重要判例を網羅的に取り上げているので本書を完璧にすれば論文短答共に確実に上位にいけるでしょう。司法試験を短答・論文ともに上位合格するために必要な事例は十分に含まれています。
・答案の書き方を確立した上で事案による書き方をパターン化したい方、刑法の頻出分野を理解した上でサブ論点まで意識したい方、短答の細かい知識を確認したい方、事案からの論点抽出を訓練したい方等、試験対策を具体的に意識して取り組める方にはお薦めの教材です。

 

 

 

〇こちらの演習書もおすすめです。

司法試験考査委員の十河先生が執筆されています!

 

 

刑法は、一定の知識ができたら、あとは事例演習を繰り返すことが上達の近道だと思います(あまり学説の議論に深入りしても得るモノは大きくないと思います)。

そこで、本記事でも演習書を多めに紹介します。

この本は、有斐閣の下記説明のとおり、幅広い層におすすめです!

「刑法の事例問題を解くときの具体的なメソッドや検討手順を伝える演習解説書。2色刷り・図や表を活かし,わかりやすく丁寧に説明しています。基本的な問題から徐々に難しい問題まで,疑問を抱きがちな論点にも配慮。学部生から法科大学院生まで広くおすすめ

 

※レビュー抜粋↓

・書き方を解説した珍しいタイプの演習書。
・基本刑法と合わせて効果アップ。

・司法試験委員の本。わかりやすく実践的。すばらしい。

・「事例問題をどのように解くか」を解説してくれる良質な本は少ないのが現状である。そんな中、本書は、基本書を読んでそれを事案に当てはめようとしてもいまいちしっくりこないという「あるあるな悩み」を解決してくれる、画期的な教材であると感じた。すなわち、刑法の事例問題をすらすら解ける人の「思考の流れ」を具体化してくれる本なのである。レベルも基本から応用まで段階が踏まれており、最初のページから無理なく進めることができる。刑法を新たに学ぶ人、これまで学んできたがいまいち解き方がわからなかった人にはもってこいの教材であると感じる。

 

 

〇予備試験の過去問を題材としたこちらの演習書も非常におすすめ!

 

 

※レビュー抜粋

・解説や応用は、この上なく秀逸である。何が求められるのかが明確に理解できる。

解説は基礎編、応用編、展開編の3部に別れているが、基本的な解答は応用編の記述を読めば済む。問題提示や事実の摘示、当てはめを答案構成を意識した流れで解説しているため、実践的で分かりやすい。
・やはり学者本ということあって解答例は現実的ではないが、現状概ね最良の予備試験演習書なのではないか。

 

 

今回の記事は以上です。本記事は随時更新していく予定です。

それではまた!

 

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2023年最新版【厳選】民法のおすすめの基本書・演習書・判例集

こんにちは、コポローです。

今回は民法のおすすめの教科書・演習書・判例集を厳選して紹介します。

民法は範囲が広いので大変ですが、なるべく厳選して紹介したいと思います。

何か1冊でも参考になればうれしく思います。

(※本ブログには広告が含まれます)

 

 

民法の全体像を一通り理解するのに最適です。

民法は、まずは全体像を理解しておくと、各分野や各制度の理解が深まります!

試験直前の総復習にも使えます。

 

 

※レビュー(旧版含む)より抜粋↓

かなりキレイにまとまっており、初学者でも学べそう。
何度も重要なワードが繰り返されるので自然に復習ができる

1冊で民法全体について過不足なく論及されている。

・議論のある問題点や判例については,別途補充する必要があるが,補充したことをこの本に付箋をつける等でまとめていくと,ノート作りをしなくてもいい。試験直前には加工した本を見直せばいいから。

効率よくまとまっていて勉強がはかどります。

・かつて民法をひととおりかじった者でも、2・3度読むことで改正民法を理解できる

・財産法に関しては民法既習者なら2時間あれば、読め、詳細な部分までは記述されていないので、財産法を一気に理解するという点で優れています。

 

 

 

最もおすすめの民法総則の教科書です。

判例ベースで書かれ、わかりやすいです。

 

 

 

※レビューより抜粋↓

条文解釈の違いの裏にある判例と学説の考え方などもにも適宜説明がなされていると思います。
・「民法の面白さ」を十分に堪能できる1冊だと思いました。

・改正民法についての説明が丁寧で、条文が細かく引用されているために体系的に理解しやすい。

・改正前民法で学習した読者への配慮として、改正前のルール(条文や判例)を挙げて、新設条文はあの判例の規範を明文化したものだから、改正後も派生論点についての議論は通用するよといった説明がされていて非常に素晴らしいなと思いました。
・主張立証責任の所在についてというコラムで要件事実への言及がある。

・大幅に規定が改正された”時効障害事由としての完成猶予期間と更新”についての整理がわかりやすかった。

民法総則について、非常に丁寧かつ精緻な説明がされている本です。論理の飛躍がほぼないため、じっくりと論理を追うことができます。
民法総則をじっくり勉強するなら、この本がベストです。司法試験も民法総則はこれ一冊で大丈夫だと思います。

 

最もおすすめの物権法の教科書です。

こちらも判例ベースで、わかりやすいです。

 

2023年4月に第3版が出ました!

※レビュー(旧版含む)より抜粋↓

・ポイントを適切に押さえたよい教科書
佐久間先生の総則の方も使用していますが、これと同様に分かりやすく詳細な解説で、思考の過程を辿ることが出来るので、暗記にならずに考えて結論を出す力が身に着くと思います。

・ケースメソッドを用いていてとても分かりやすい。発展的な内容や補論にあたるものは小さく書いてあるので初学者でもメリハリをつけて学習できると思う。

判例百選の収録判例にはその番号を付しているのも嬉しい。
・入門から司法試験まで使えるおすすめの1冊。

・「民法の基礎」という本の名称にもかかわらず、レベルは高い。活字の小さい「発展学習」や「補論」は、読み応えがある。これらを後回しにして、まずは本文だけを読むのもありだと思う。

 

 

おすすめの担保物権法の教科書はこちらです。

ただ、少しだけ古いので、最近の判例は、重要判例解説等を参照してください。

 

Amazonレビューより抜粋↓

・薄い本ですが、基本的な考え方を十分に身に着けることができます。

学術的信頼性が高く、記載が端的でコンパクトにまとまっており、欠点がないので、法律好きなら読んでいて退屈しません。きちんと担保物権法を理解しておきたい人にお勧め。

 

物権法・担保物権法を1冊で学べるこちらもおすすめです。

すごくコスパがいいです。2021年12月に第4版刊行!

 

 

※レビュー(旧版)より抜粋↓

素晴らしい本に出合いました。レベル感としては、司法試験をはじめとする国家資格にもこれで十分です。
・お勧めポイントは、①日本語が正確かつ明晰(こんな文章が書けるようになりたい!)。②問題の所在から丁寧に解きほぐし、理解が行き届く。③過去の学説史を踏まえて、現在の到達点を示している。④民法改正の意義や、改正前との変更点をわかりやすく解説。
・佐久間本は言葉を尽くして説明してくれるのに対して、本書は最小限の言葉で理解させてくれる感じ。どちらも素晴らしいですが、何度も読み直すことを考えるなら、本書の方がいいかも。

文体に癖がなく、著者の独自見解を披露するようなものでもなく、読みやすいと感じる。
・問題演習だけだと意外と気づかない(けれど大事な)ことがさらっと書いてあったりするので、買ってよかった。

担保物権法の部分は説明が丁寧でかつスラスラ読めて、非常にわかりやすいです。ロースクールの授業でも十分に役立ちます

・本書は自分の言葉にして理解しやすいと思いました(論証化しやすいと思います)。

 

 

債権総論の教科書は下記のうちの2冊のうち、いずれかがおすすめです。

 

※レビュー(旧版)より抜粋↓

・本書の特徴としては,基礎理論について相当突っ込んだ考察がある点である。
・基礎理論について経緯を含めた十分な考察があり,理解を重視する人には格好の教材である。
要件事実論について民法学者としての考え方が示されており,要件事実論と一体として民法学を勉強するのに向いている。
・本書は相当な分量があるが,それはcaseが724もあるためという理由もある。本文の量はそこまで多くはない。
・一点注意が必要なのは,基礎理論について突っ込んだ検討があるため,やや難解な部分があるということである。とはいえ,抽象論に逃げる不合理な難解さではないから,気合いを入れて読めば相応の見返りはある。
・この本の特徴として挙げられる点は、判例・通説→批判・問題点→有力説・私見といった形で書かれることが多い点です。著者が債権法の改正に関わっていることからも、判例・通説に対して批判的であることは明らかです。ただ、だからといって判例・通説を疎かにしているわけではなく、むしろ批判対象として明確に提示されています。
本書は丁寧に理由付けが書かれているので使いやすかったです。しかもキーワードが明確なので、受験生としてもありがたい
・著者は独特な表現を用いられる方として有名なので、この点は注意が必要です。また、独特な見解も多いです(もっとも、私見を提示しつつも記述は判例・通説による場面や、判例・通説を丁寧に記述した後に私見を提示していたりするので、全体として自説を前提として記述されているわけではありません)。

・このプラクティス債権総論は数少ない読んで感動することのできる素晴らしい一冊である。債権総論というと民法の中でも最も理論的に複雑かつ抽象的で高難度の領域なのだが、端的な具体的ケースを素材としつつ(抜群の教育効果を確保しながら)、明晰かつグイグイと読ませる文章で、要件効果・要件事実論に対する視野も踏まえたうえで、読者を相当な高みに引き上げる一冊となっている。

 

 

 

 

※レビュー(旧版含む)より抜粋↓ 

・著者の体系的理解から演繹的に説明する歯切れのいい体系書というより、教養深い教科書です。

・全般的に詳しく、今回の改正の経緯もよく書いてある。

・非常に読みやすい。

・文章が読みやすいなという印象。

・本書は、初心者が読むような解説と、応用的なコラムを分けて記載し、学習者の便宜を図っています。
各論点につき、判例と学説を丁寧に比較し、その上で妥当と思われる結論を提示する、という形式を最後まで貫いていきます。結論自体は穏当なものにとどまることが多く、判例理論自体の解説もとても詳しいです。ですので、本書一冊でも充分司法試験を戦えます。非常に網羅性も高いです。
・同じ債権総論分野の有名な教科書に潮見先生の本があります。潮見先生がケースを多用するのに対し、本書はケースをあまり紹介しません。
中田先生の語り口は中立的でいてかつ驚くほど読みやすく、すらすらと読み進めることが可能です。債権総論の教科書を探している方、債権総論分野で2冊目の参照本を探している方どちらにも、オススメです。
・難しいのは教科書として用いる際、潮見プラクティスとの選択に迷った場合どちらにするか、にある。抽象的命題、概念の理解を常に具体的に示してケースで積み上げていく潮見プラクティスの教育効果は現在でも該当分野最高水準と断言できるものがあるので、債権総論に苦手意識のある読者であれば潮見のほうが合うという場合も多いかとおもう。翻って一定水準以上の理解が既にあって、伝統的通説をざっと復習したいという場合であれば本書のほうがより使い勝手が良いだろう。

 

 

 

〇債権各論は、下記2冊がコンパクトでおすすめです。

2色刷りで大変読みやすいです。2022年第4版刊行

 

※レビュー(旧版)より抜粋↓

・大学の講義で配布されるレジュメの百倍詳しく理解しやすいと感じた。
平易な日本語で分かりやすく制度理念が書かれてあるので、初学者にもおすすめですし、ある程度勉強の進んだ人にも知識を整理するのにいいと思います。

・債権法改正の理論的支柱を担われた潮見先生の著作。新しい債権法の基本原理がいたるところに披歴されてます。

・要件事実まで配慮されているのが素晴らしい。読みやすい。債権各論はこれで。

本書は条文を起点として要件事実に対する配慮も加えつつ、非常にわかりやすい表現をもって典型契約・事務管理・不当利得を概観することのできる一冊となっており、まとめノートもつくりやすく、おすすめである。

とにかく「薄い」のが第一の特徴で、その利点ゆえに何度も繰り返し通読しやすいのが最大のメリット。

 

 

 

 

※レビュー(旧版)より抜粋↓

・「本書は、法学部や法科大学院で獲得した法律知識を社会に活かすことを考えている者ならば、学習段階の初期において、不法行為についてこの程度まで理解できておれば当面は十分であろうと思われるところをめざして、書き下ろしたものです。」(初版へのはしがき) ということで、本書のコンセプトは初学者向けの教科書なのですが、要件事実論に関しても記述されているため、ある程度学習の進んだ方の基本書にもなりうるものだと思います。

・順序立てて書かれていて非常にわかりやすかったです。一冊読むだけで基礎知識がつきます。

基本的には、まずは判例実務・伝統的通説の立場をマスターできるように教育的配慮がなされていて、潮見先生の自説や近時の有力説の記述は抑え目で、そのような記述があったとしても一目でわかるように別枠で書かれています
・国家試験(司法試験、予備試験)の受験生の多くが本書を用いているため、試験対策上も受験生心理の面でも有用だと思います。(みんなが使っているから教材として優れている、という自信をもって不安なく勉強が出来る。)

 

 

家族法はこちらが読みやすく、おすすめです。

1冊で親族・相続をカバーできます。

 

Amazonレビュー(旧版を含む)より抜粋↓

・とても読みやすい文章で、すっと入ってきます。

・内容紹介でもある通り、ユーモアな語り口は他の基本書にはない魅力だと思う。

法学の本では薄めのものよりも、ぶ厚いほうがわかりやすいことがよくあります。本書もそうでした。本書のはしがきで著者は「わかった」という実感をもってもらいたいと書かれています。また、丁寧に説明するとも宣言しています。実際に読み進めていくと他の本で理解が十分でなかった事柄も本書で理解できたということが何度もありました。
家族法の基礎を押さえておきたい方にとってうってつけの一冊となると思われます。

 

 

〇相続法を詳しく勉強したい方には、こちらもおすすめです(実務に出てからも役立ちます)。

2022年7月に第2版刊行。

 

※レビュー(初版)より抜粋↓

・今般の相続法の改正法を織り込んだ最新の体系書です。最大の特徴は、各項目ごとに事例を挙げて具体的に詳説されているところにあります。

・ケースごとの事例が多く参考になりました。最近の法改正も詳細に説明されております。実務にも参考になります。

 

 

判例集については、判例百選が定評があり、おすすめです。

2023年2月に最新版が出ました!

    

※レビュー(旧版)より抜粋↓

民法学習における定番の1冊。絶賛する人もいればこんなの読む必要ないと酷評する人もいる百選ですが、それだけ多くの法律学習者に読まれているということでしょう。ただし、判例批評をする学者によって解説のレベルがまちまちなので、よいものだけ読むというのが正しい使い方なのだと思います。

 

 

判例百選は、解説の質にバラつきがあるので、比較的少数の執筆者で解説の質が安定している判例ラクティスシリーズもおすすめです(個人的にはこのシリーズが大好きです)。また、判例の数もこちらの方が多いし、解説もコンパクトで無駄がない!

  

※各レビュー抜粋

民法を学習するための判例集です。令和3年の民法改正に対応しています。406の判例が原則1頁で解説されていて、判例百選よりも簡潔に記載されています。

債権では100の判例は少ない、解説は簡潔で無駄がない、争点もきちんと記載されている。これらの理由からお勧めします。判例は何でも百選の時代は終わったのではないでしょうか。

家族法判例が195掲載されていて、うち1つだけが2ページで、残りが1ページに事実と判旨と解説がまとめられている。

 

 

 

〇演習書は下記のものが古いですが良書です。

債権法改正以降、良い演習書が出ていない印象です。

司法試験や予備試験の過去問を解くのがよさそうです。

 

※レビューより抜粋↓

・不要な学説の議論がなく、あてはめに分量が割かれているのが好印象です。
・網羅性も高く、解説もわかりやすいので、学習効果は高いと思います。ここまでバランスがとれた演習書は他にないのではないでしょうか?

・一冊で民法の重要論点をきちんと学べる。
様々な場合を分けて小問が作ってあるので、細かいところまで理解して学ぶことができる。大事な判例が紹介してあり、問題から答えを導く力が養える。
・とても使いやすく、多少時間はかかるが条文を引きながら解き、繰り返すことで民法がかなり伸びると思う。解説はコンパクトだが必要なことがきちんと書かれている。民法の問題集の中で、私としては一番お勧めです。

民法の演習書の中では、解説の分かり易さ、範囲の網羅性など、1番の出来だと思います。当てはめの仕方も丁寧に記載されていて、実際にどう書くか意識して学べます。また問題も司法試験を意識した比較的長文の問題により構成されています。素晴らしい本です。

 

 

○予備試験を題材にした下記の演習書は結構おすすめです。著者は元考査委員。

答案の書き方がよくわかる良書です。

 

 

レビューより抜粋

・筆者が考査委員をした平成元年以外の例年の予備試験の過去問を素材にしてあるのが良いです。

・学者さんの書いた演習書でありながら珍しく解答例が有るのも良いです。

・予備試験問題を素材にした民法の基礎学習書という感じです。

 

初学者から使える易しめの演習書としては、ロープラクティスがおすすめです。

 

※レビュー(旧版)抜粋

・設問が多いので、自分の理解が不十分な個所を重点的に学習できます。解説が短いですが、かえって短いのが良いです。もっと詳しい解説がほしければ、他の大著をあたればいいのです。これらの設問にすらすらと答えられれば、基礎力が付いたと言えるでしょう。次は、もっと難しい予備試験や司法試験の設問に挑戦すればいいのです。

 

 

 

 

今回の記事は以上です。

民法は範囲が広く、読むべき本も多くなりがちで、選択が大変かと思います。

本記事が少しでも皆さんの参考になればうれしく思います(^^♪

なお、本記事は、新刊・改訂等に合わせて、随時更新していく予定です!

それではまた!!

 

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