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【保存版】刑法の勉強・答案作成で失敗しないポイント11選

こんにちは、コポローです。

今回は、刑法の各種論述試験にむけた勉強のポイントと答案作成のポイントについて解説します!

刑法は学説の対立が多く、複数人の複数の犯罪が問題になるなど、慣れないうちは答案作成が難しい科目です。

しかし、コツをつかむと、安定して良い点数をとれるようになります。

本記事を参考に、刑法を得意にしてもらえればと思います(*^_^*)

   

 

 

 

 

 

(1)勉強のポイント

◎総論は、体系を意識して勉強する

刑法総論は「行為無価値」と「結果無価値」とで、体系上の大きな違いがありますが、いずれの立場に立つにせよ、故意や過失等の各論点が「構成要件・違法性・責任」のいずれの次元の議論なのかを意識して勉強しましょう

※解答を書くうえでも、基本的に、構成要件・違法性・責任の順で、論じることになります。


◎各論は、①各犯罪の保護法益・②各構成要件の意味・③各犯罪間の関係を、判例を踏まえつつ、しっかり理解しましょう

→試験では複数の論点が問題になりうるので、漏れがないように整理しましょう。

条文にない「不文の構成要件」には特に注意(不法領得の意思など)!

 

→試験では、判例が問われやすいので、重要な判例は百選などで押さえましょう。

 

 

 

   

 

 

 

 

(2)事例問題での答案作成のポイント(手順)

 

⓪試験が始まったら、まず大問の数と配点を確認し、時間配分の目安を立てる。

※たとえば、大問が2問ある場合、1問目で時間を使いすぎないようにしましょう!

 

①各大問の事例文を読む前に、まず個々の設問文に目を通し、誰の罪責を検討するのか(および何に注意して事例文を読むべきか)を押さえる

→このように意識しないと、事例文を2度・3度読む羽目になります。

 

②そのうえで事例文を正確に読む。その際、余白に図を書くなどして、当事者関係・時系列などをしっかり把握する。共犯関係がある場合は、各人の行為・主観面にも注意しましょう(誰がどの範囲で刑事責任を負うかを検討するにあたって超重要)!

→問題文はしっかり読みましょう。誤読は致命傷になりえます(急がば回れ)。

 

 

③各設問を解くための答案構成をする(時間配分も考えつつ)。

→答案構成なしに書き始めると支離滅裂になる可能性が高いです。少なくとも一定の見通しは立てましょう。

 

※基本的に、構成要件・違法性・責任の順、客観面→主観面の順で検討しましょう!

※共犯の事例では、まず全員に共通する部分を論じ、その後、個々人の罪責を論じるという流れがスムーズになることが多い。

 

出題者が何を問うているか(中心的な論点。複数ありえます)を考え、その問いに正面からしっかりと答えるような答案構成にしましょう。些末な論点について長々書くのはNGです。

 

 

④実際に答案を書く(完璧な答案を目指すのではなく、配分した時間の中でベストを尽くす意識で!

→コンパクトでわかりやすい記述を心がけましょう。

 

問題提起(論ずべき点)は見出しを使うとコンパクトに示せます。

例)

1.甲の窃盗罪(刑法235条)の成否

(1)他人の財物

(2)窃取

(3)不法領得の意思

 

答案の書き方については、下記記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

kaishaho.hatenablog.jp

 

 

 

⑤大問に配分した時間が来たら、途中でも(なるべく速やかに)いったん切り上げ、次の大問に行きましょう。

→完璧を目指してはいけません。優秀な人でも書きたいことの7割~8割しか書けませんが、それでもほぼ満点が取れます。

残りの2~3割を書いても点数はあまり伸びません。その残り2~3割を書くために、次の大問の解答時間を削るのは愚策です。

   

 

 

 

 

(3)答案作成のポイント(内容面)

◎論述試験の際、条文は細かく示す。

法律学の試験は、大部分において「条文を使いこなせるか」を問う試験なので、条文を深く理解し(どこにどのような条文があるか大まかに理解しておくこと)、使いこなせることを答案で示しましょう。

→条だけでなく、項や号まで正確に引用しましょう!

 

※罪数処理の際も、条文を示しましょう!


判例がある場合は、賛成するにせよ反対するにせよ、「必ず」判例の立場を示す(その立場が判例であることも明示しましょう。「シャクティパット事件判決」「大阪南港事件判決」「英国騎士道事件判決」などと具体的に示すと、勉強していることがより伝わります)。

判例は、条文の次に重要な法規範です。

判決文や弁護士が書く各種書面でも、判例がある場合は、賛成するにせよ反対するにせよ必ず明示します。

判例に反対する場合は、反対すべき理由をしっかり書きましょう。

 

◎試験では、あてはめも重視されている。例えば、作為義務の発生根拠、「危険の実現」の具体的内容(どのような危険がどう実現したか)、過失の具体的内容などを事例に即して丁寧に論じる。 

→出題者は「あてはめ」も意識して事例文を作っています。

事例文をしっかり読んでいれば、出題者の出題意図もつかめます。

 

あてはめにおいては、「生の事実」を「法的に評価された事実」に変換しましょう

例えば、事案文に「AはBを殴った」とある場合、これは生の事実なので、法的に評価された事実(各種構成要件の定義)に変換しましょう。

すなわち、「AのBの殴るという行為は、不法な有形力の行使であるため『暴行』にあたる」と書きましょう。

 

※事例問題での問題演習をこなしていくと、出題者の意図もつかみやすくなりますので、全体像を一通り勉強した後は事例問題を解いていきましょう!!(とくに刑法は問題演習が有効です!)

   

 

 

 

 

今回の記事は以上です。

この記事は、定期的にリライト(加筆修正)していく予定です。

それでは、また次回!

 

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