こんにちは、コポローです。
今回は、倒産法の司法試験考査員(学者枠)を紹介します。
司法試験の出題は、主として学者委員が問題案を持ち寄り、議論等を経て決まります。ですので、学者委員の関心や考え方を知っておくことは有益です。
以下では、2023年の司法試験委員(倒産法学者)2名について、専門分野や著作を紹介します。
①青 木 哲(神戸大学)
東京大学卒業。ドイツ法系。
一番の専門は、民事執行法です。
倒産法関連の著作は、下記のとおり少ないです(そのぶんチェックは楽ですね)。
論文等(倒産法関連)
「信託財産に属する財産に対する強制執行」 ビジネスガイド 59 (14), 2-6, 2022-11
「暗号資産(ビットコイン)と強制執行・倒産」金融法務事情2119号18頁(2019)
「会社の倒産時に、従業員の給料債権は、どこまで保護されるのかー倒産法」 『働く人をとりまく法律入門』(ミネルヴァ書房、2009)299頁
「強制執行に要した費用を不法行為に基づく損害賠償請求において損害として主張することの許否[最高裁令和2.4.7第三小法廷判決] (法的回収(執行・倒産))」金融判例研究 (31), 36-39, 2021-09-10
青木先生の著作です(共著)↓
青木先生が執筆された倒産法の書籍は これら2冊のみです。
余力のある方は、執筆部分をざっと読んでみましょう。
②杉本和士(法政大学)
令和5年度から司法試験考査委員に加わりました。
早稲田大学卒。
専門は、担保法制。特に動産・債権の担保。
最近の業績
「基調講演 ファイナンス・リースと倒産法」 事業再生と債権管理 37 (1), 4-14, 2023
「事業担保制度構想に関する若干の検討 : 「担保法制の見直しに関する中間試案のたたき台」を踏まえて」 事業再生と債権管理 36 (4), 50-53, 2023
・「倒産と担保・保証」実務研究会編『倒産と担保・保証〔第2版〕』「非典型担保に対する担保権実行手続中止命令に関する諸問題」195-213 2021年
・田髙寛貴編著『担保法の現代的課題―新たな担保法制の構想に向けて』「第7章 動産・債権担保法制と倒産手続」148-169 2021年
・動産・債権担保法制と倒産手続 : 立法的課題の検討 (日本私法学会シンポジウム資料 担保法の現代的課題 : 新たな担保法制の構想に向けて)2021/08/15杉本 和NBL1200, 47頁
・動産・債権担保融資実務の現状と課題(下)―金融機関からの聞き取り調査を題材として2021/06/15藤澤 治奈, 杉本 和士NBL1196, 18-23
・動産・債権担保融資実務の現状と課題(上)―金融機関からの聞き取り調査を題材として2021/05/15藤澤 治奈, 杉本 和士NBL1194, 4-11
・「経済危機と倒産処理 : コロナショックから事業再生へ」杉本 和士 法学セミナー 65 (11), 10-15, 2020-11