こんにちは、コポローです。
今回は、租税法の司法試験考査員(学者枠)を紹介します。
司法試験の出題は、主として学者委員が問題案を持ち寄り、議論等を経て決まります。
ですので、学者委員の関心や考え方を知っておくことは有益です。
以下では、2023年の司法試験委員(租税法学者)2名について、専門分野や著作を紹介します。
①藤 谷 武 史( 東京大学社会科学研究所教授)
令和5年度から考査委員になりました。
東京大学卒業。
幅広く執筆されています。
主な研究テーマは、①財政法の理論的再構築、②グローバル化の下で変容する統治と法の関係の基礎理論構築、③租税法の私法的基礎の探究、④国際課税の法と政策、⑤非営利組織の税制とガバナンス
最近の論文等
「講演 租税原則としての〈公平〉について考える」TKC (特別号) 14-27, 2023-01
「租税特別措置法の性格と課題」 税研 : 租税の総合専門誌 : Zeiken / 編集委員会 編 37 (5), 28-35, 2022-01
- 「税の観点からみた信託と類似制度」『信託その他制度における財産管理継承機能』,トラスト未来フォーラム研究叢書,2021年10月,161-202頁.
- 藤谷武史「必要経費の意義と範囲」日税研論集74号(2018年9月)159-188頁
藤谷先生は教科書等は執筆されていないようです。
②澁 谷 雅 弘 (中央大学)
東京大学卒業。
幅広く執筆されていますが、固定資産税や相続税関連が多い印象です。
最近の論文等
「相続税・贈与税の一体化について」租税研究 (879) 39-59, 2023-01
「評価通達と平等原則 : 最高裁令和4年4月19日判決を読む」 ジュリスト (1575) 101-106, 2022-09
「相続税・贈与税における租税回避 : 通達は誰を拘束しているのか?」租税法研究 (50) 59-69, 2022-06
「数筆の宅地が一画地の宅地として認定される場合における、各筆の宅地の評価方法[最高裁令2.3.19一小法廷判決]」 判例時報 (2511) 140-145, 2022-05-01
渋谷先生の執筆の演習書はこちら↓
司法試験考査委員による演習書として大変貴重です。