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2023年(令和5年)司法試験考査委員(民法学者)の分析

こんにちは、コポローです。

今回は、民法の司法試験考査員(学者枠)を紹介したいと思います。

 

司法試験の出題は、主として学者委員が問題案を持ち寄り、議論を経て決まります。

ですので、学者委員の関心や考え方を知っておくことは有益です。

 

以下では、2023年の司法試験委員(民法学者)4名について、専門分野や著作を紹介します。

 

   

 

 

①久保野 恵美子 (東北大学

令和4年度から司法試験考査委員に加わりました。 

東大出身。専門は、家族法(親族法)。

 

最近の著作

児童虐待への民事法的対応 : 親権法改正について」法律時報 94 (11), 23-30, 2022-10

「未成年後見における財産管理面の義務についてのノート」法学  84(3,4), 59-79, 2020-12-30

「実母の虐待を受けた児童が実母の母と養子縁組した場合における里親委託等の承認の可否[大阪高裁令和元.6.26決定] 」私判例リマークス : 判例評論 (63), 54-57, 2021

「いわゆる採点相続における熟慮期間の起算点」法学教室 (471) 140-140 2019年12月
「(判例評釈)消費者取引と日常家事債務」消費者法判例百選[第2版] 78-80 2020年9月  
「親権者が数人ある場合の権限の行使について」法学 83(4) 34-50 2020年2月  
不法行為責任と家族のかかわり」法律時報 89(11) 91-97 2017年10月  

NHK受信契約の締結強制による受信料債権成立及び同債権の消滅時効の起算点[最高裁平成29.12.6判決] (判例セレクトMonthly)」法学教室 (452), 135, 2018-05

 

 

久保野先生著作(共著)の教材

 

 

→久保野先生以外も豪華な執筆陣で、おすすめの演習書です。 

共著者の田高先生も司法試験考査委員です(後出)。

 

 

→2021年に出た本で、事件類型別に不法行為法を勉強できます

   

 

 

②橋本 佳幸(京都大学

令和5年から司法試験考査委員です。

京都大卒。ドイツ法系。研究分野は不法行為

Wikipediaによると、 趣味は観葉植物 (笑)。

 

最近の著作等はこちら↓

・「AIと無過失責任 : 施設・機械の自動運転に伴う事故の危険責任・瑕疵責任による規律」 法律時報 94 (9), 54-60, 2022-08

判例評釈・最判令和2年7月9日民集74巻4号1204頁(交通事故被害者の後遺障害による逸失利益についての定期金賠償) 私法判例リマークス (63) 38-41 2021年7月  

原野商法の仲介者の責任・大阪高判平成7年5月30日 河上正二ほか編『消費者法判例百選(第2版)』 164-165 2020年9月  

川崎市土壌汚染訴訟控訴審判決・東京高判平成25年3月28日 
環境法研究 (10) 167-177 2020年2月  

・迷惑メールの大量送信――NTTドコモ仮処分申立事件・横山地決平成13年10月29
長谷部恭男ほか編『メディア判例百選(第2版)』 216-217 2018年12月  

・被害者側の過失 法学教室 (456) 38-41 2018年8月  

判例評釈・広島地判平成29年2月28日判タ1439号185頁(事故被害者が傷害の症状等について不実の申告をして賠償金の支払を受ける行為による不法行為責任) 私法判例リマークス (57) 60-63 2018年7月  

・共同暴走行為と過失相殺・最判平成20年7月4日交民集41巻4号829頁 新美育文ほか編『交通事故判例百選(第5版)』 164-165 2017年10月  

 

橋本先生執筆(共著)の教科書はこちら↓

 

 

 

 

 

 

 

 

③田髙 寛貴 (慶応義塾大学)

名古屋大学卒。専門分野は担保法・不動産登記

 

最近の論文等

「あるべき動産担保の私的実行規範とは」 金融法務事情  71 (7), 20-21, 2023-04-10

「新たな担保法立法がもたらすもの : 判例法理との連続性・私的実行担保の体系性の見地から」 ジュリスト (1579) 14-21, 2023-01

「これからの担保制度 : 事業担保権構想のねらいと課題」 月報司法書士 (603) 49-57, 2022-05

 

「事業収益の担保化に向けた課題と新たな担保法の体系 」NBL (1200), 55-63, 2021-08

 

「『民事法改正と不動産登記』3報告と質疑を振り返る」法律時報 92(5), 91-94, 2020-05

「概観 (担保・保証)」金融判例研究 (31), 26-28, 2021-09-10

「建物が共有されている場合の評価上の法定地上権の成否と不当利得[横浜地裁令和元.10.30判決] 」私法判例リマークス : 判例評論 (63), 10-13, 2021

「所有権留保と集合動産譲渡担保の競合[最高裁平成30.12.7判決]」新判例解説Watch速報判例解説25号57頁(2019)

「土地所有者が負担すべき責任の限界 : 土地所有権「放棄(移譲)」制度構築の前提として 」NBL1152号13頁(2019)

「遺言による権利取得における登記の要否 : 裁判例の考察による具体的判断要素の分析」法学研究91巻2号 (犬伏由子教授退職記念号)27頁(2018)

 「第三者の弁済(代位弁済)」民法研究. 2集, 東アジア編  (7), 61-75, 2019-08

 

 田高先生の執筆した教科書(共著)はこちらです。

 

 

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