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2023年(令和5年)司法試験考査委員(商法学者)の分析

こんにちは、コポローです!

今日は、商法の司法試験員(学者枠)について、紹介したいと思います。

司法試験の出題は、主として学者委員が問題案を持ち寄り、議論等を経て決まります。

ですので、学者委員の関心や考え方を知っておくことは有益です。

以下では、2023年の司法試験委員(商法学者)3名について、専門分野や著作を紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

①藤田友敬(東京大学

東大卒。令和5年から司法試験考査委員。

主にアメリカ法。師匠は江頭憲治郎。

研究分野は広く(商法・会社法はもちろん、海商法も研究されている)、専門領域の特定は難しい。

「法と経済学」にも詳しい。

 

最近の論文(司法試験に関連するもの)

・機会主義的な買取請求への対処 : 統計的手法は必要で有効か?  ジュリスト (1584) 95-96, 2023-05

2021年度~2022年度のジュリストで、平成26年改正・令和元年改正に関する座談会記事を毎月連載していました。第1回はこちら「新・改正会社法セミナー : 令和元年・平成26年改正の検討(No 01)監査等委員会設置会社(1)」藤田 友敬, 澤口 実, 三瓶 裕喜, 田中 亘, 長谷川 顕史, 松井 智予 ジュリスト = Monthly jurist / 有斐閣 [編] (1556) 60-79, 2021-04

・「事前警告型買収防衛策の許容性 : 近時の裁判例の提起する問題」金融商品取引法研究会, 日本証券経済研究所, 2021

・座談会 「公正なM&Aの在り方に関する指針」の意義と影響
飯田 秀総, 石綿 学, 加藤 貴仁, 神田 秀樹, 後藤 元, 田中 亘, 角田 慎介, 藤田 友敬 ソフトロー研究 (30) 63-163, 2020-03

・「『公正なM&Aの在り方に関する指針』の意義」商事法務2209号 4-18頁(2019年9月)

・「取締役会の監督機能と取締役の監視義務・内部統制システム構築義務」尾崎安央=川島いづみ=若林泰伸編『上村達男先生古稀記念 公開会社法と資本市場の法理』(商事法務,2019年1月)357-383頁

 
 

 

藤田先生の著作(座談会の単行本化)

 

平成26年会社法改正・令和元年会社法改正で導入された制度について、藤田先生や田中亘先生が解釈論を展開しています。

これらの改正で導入された制度は、そろそろ司法試験でも出題されそうです。

 

 

②齊藤真紀(京都大学

京大卒。

ドイツ法系。師匠は森本滋先生。 

研究分野は債権者保護、企業結合など。

 

最近の著作(司法試験に関連するもの) 


・非取締役会設置会社における取締役の業務執行権限[東京地判平成29.9.29] 旬刊商事法務 (2294) 71-76, 2022-05

・「令和元年会社法改正(5)社外取締役の活用」 日本取引所金融商品取引法研究 (20), 2-36, 2021-12

・「商号続用者の責任再考」川濵・前田・洲崎・北村還暦『企業と法をめぐる現代的課題』(2021)

・「株主提案権の規制 (特集 2019年会社法改正)」ジュリスト1542号27頁(2020)

判例評釈「会計帳簿等閲覧謄写請求における請求理由の具体性および閲覧謄写の範囲[東京高裁平成28.3.28判決]」商事法務2230号81頁(2020)

判例評釈「子会社管理にかかる親会社取締役の責任(福岡魚市場株主代表訴訟事件控訴審判決)[福岡高裁平成24.4.13]」商事法務2100号83頁(2016)

 

 齊藤先生著作(共著)の教材↓

 

→令和元年会社法改正について重要ポイント・解釈論上のポイントがまとまっています(Caseが書かれており、わかりやすい)。そろそろ令和元年改正の内容が出題されてもおかしくありません。

 

 

 

→第一線の研究者による事例演習書で、難易度はやや高めです。

 

 

 

 

 

 

 

 

③松中学(名古屋大学

令和4年度から考査委員に加わりました。
出身は大阪大学
アメリカ法系。
専門は、新株発行規制(特に不公正発行)。最近は株主総会も。