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2023年(令和5年)司法試験考査委員【行政法学者】の分析

こんにちは、コポローです。

今回は行政法の司法試験考査員(学者枠)を紹介します。

司法試験の出題は、主として学者委員が問題案を持ち寄り、議論等を経て決まります。ですので、学者委員の関心や考え方を知っておくことは有益です。

以下では、2023年の司法試験委員(行政法学者)3名について、専門分野や著作を紹介します。

 

 

 

 

 

① 下山憲治(一橋大学

令和4年度から考査委員に加わりました。

ドイツ法系。

専門は、環境法関連、原発規制、国賠法

  

最近の論文等

原発事故国賠訴訟の現状と論点」法律時報 94(1), 65-69, 2022-01

(翻訳)「 瑕疵ある国家監督に対する国家責任」一橋法学 20(3), 1713-1747, 2021-11

「建設アスベスト訴訟最高裁判決と国の責任論」法律時報 93巻11号58-63頁 2021年

福島原発事故賠償訴訟における国の責任と論点」環境と公害 51巻1号15-20頁 2021年

原子力法制の展開と今後の規制・再稼働の法的課題」法律時報 93巻3号35-40頁 2021

「弁護士が侵入者に刺殺された事件において臨場した警察官らの義務違反を認めて国家賠償請求を一部認容した事件-津谷弁護士事件-」私法判例リマークス 61号54-57頁 2020年

 

 

下山先生著作(共著)の教材↓

 

コンパクトで高コスパの本。Amazonレビューでも下記のように高評価です。

著者が複数の効果なのか文章の思考や思想の偏りがあまりない、つまりはバランスが良いように感じる。…特に基礎的な学習の書籍としては秀逸たる出来である、ように思う。ポイントを押さえながらも、大切な要点が詰め込まれている。簡単だから読みやすいというものではなく、きれいに整地されているから読みやすいといった、良い本である。

分量はコンパクトだが、最高裁判例だけでなく下級審も重要な裁判例は引用してあり、さらなる学習に役立つように配慮されている。特に、建築基準法などのよく使用する行政法規を例にとって解説してあるのはわかりやすい。また、各節ごとに課題が置かれており、学習内容の確認ができるようになっている。初学者の入門用だけでなく、実務家が知識を整理したり確認したりするのにも利用できると思う。

 

 

 

 

 

②野 田 崇 (関西学院大学

令和5年度から司法試験考査委員です。

京大卒。ドイツ法系。

専門は「都市計画、民間化、行政契約」です。

 

最近の論文等

「行政行為の撤回と補償」行政判例百選Ⅰ[第8版]2022年11月

「高レベル放射性廃棄物最終処分施設の立地 : 政治的不可能を可能にする」法と政治  72巻  1号  (頁 73 ~ 131)2021年05月

「緊急かつ大規模な事業の民間委託」法律時報  93巻  5号  (頁 58 ~ 63)2021年05月

「大規模インフラ事業と住民参加」2040問題と地方自治地方自治叢書33〉  (頁 99 ~ 121)2021年01月

環境保全協定の一部条項について法的拘束力が認められた事例(大阪高裁平成29年7月12日」法学セミナー増刊 速報判例解説 新・判例解説Watch  22号  (頁 43 ~ 46)2018年04月

 

※教科書等は執筆されていないようです。

 

 

 

 

③ 徳本 広孝 (中央大学

令和4年度から考査委員に加わりました。

金沢大学法学部卒、大学院は東大。

ドイツ法系。

専門は、研究不正防止策。

 

最近の論文等

健康保険法189条1項の「被保険者の資格」に関する処分[最高裁令和4.12.13第三小法廷判決] 法学教室 (511) 134-, 2023-04

福島第一原発事故国家賠償請求事件[最高裁令和4.6.17第二小法廷判決]
法学教室 (506) 144-, 2022-11

特別地方交付税の額の決定取消請求事件[大阪地裁令和4.3.10判決]
 法学教室 (502) 116-, 2022-07

陸上自衛官懲戒免職処分取消等請求事件[札幌地裁令和2.11.16判決]
法学教室 (498) 116-, 2022-03

「科学アカデミーの公法学的検討 : 科学アカデミーの日独比較 (小特集 公法学から検証する日本学術会議問題 )」法律時報 94(2), 77-81, 2022-02

辺野古サンゴ礁訴訟最高裁判決[令和3.7.6] (判例セレクトMonthly : 2021年7月公表分)」法学教室 (494), 136, 2021-11

「『違法行為の転換』の可否[最高裁第三小法廷令和3.3.2判決] (判例セレクトMonthly : 2021年3月公表分)」法学教室 (490), 146, 2021-07

「研究不正に関する裁判例から学ぶべきこと(岐阜地判平成23・6・2他)」中央評論 73(1), 171-179, 2021

地方議会議員に対する出席停止処分の法的性質[最高裁令和2.11.25大法廷判決] (判例セレクトMonthly : 2020年11月公表分)」法学教室 (486), 142, 2021-03

 

 

※教科書等は執筆されておりません。
 
 
以上の3名の先生については、論文や判例評釈(百選解説など)を見かけたときに、積極的に読んでみるとよいと思います!!問題意識や考え方を知ることができるからです。
 
考査委員の著作等については、今後も、随時情報更新していきます!
それではまた!!