こんにちは、コポローです。
今回は、経済法の司法試験考査員(学者枠)を紹介します。
司法試験の出題は、主として学者委員が問題案を持ち寄り、議論等を経て決まります。
ですので、学者委員の関心や考え方を知っておくことは有益です。
以下では、2023年の司法試験委員(経済法学者)2名について、専門分野や著作を紹介します。
①土佐和生 (甲南大学法学部教授)
令和5年から司法試験考査委員です。
独禁法上の規制を広く研究されています。
最近の論文等
・アプリ内課金の利用義務付けとアウトリンク禁止行為等の独禁法上の評価 : アップル・インクに対する独占禁止法違反被疑事件の処理について(公取委報道発表令和3・9・2)NBL (1240) 90-96, 2023-04-15
・「運輸事業における顧客の囲い込みに伴う独占禁止法上の課題と論点」 運輸と経済 = Transportation & economy 83 (2), 67-72, 2023-02
・「持続可能性と競争法・競争政策」 甲南法学 62 (1-4), 115-167, 2022-03
・不当な取引制限 AIはカルテルをすることができるのか法学教室 ( 493 ) 44 - 47 2021年10月
・持続可能性と競争法・競争政策 甲南法学 62 ( 1-4合併 ) 115 - 167 2022年3月
・アルゴリズムと共謀 甲南法学 61 ( 1・2・3・4 ) 137 - 189 2021年3月
・食品、雑貨等の小売業者による優越的地位の濫用に関する確約事件 新・判例解説Watch 経済法No.72 2020年10月
・価格カルテルにおける合意への参加-被審人1社について合意への参加が否定された事例 ジュリスト増刊・重要判例解説 令和元年度 ( 1544 ) 230 - 231 2020年4月
土佐先生の執筆された教科書(共著)
やや古いですが、コンパクトで分かりやすい教科書です。
②栗 田 誠 (白鷗大学)
東京大学卒。
下記ウェブサイトによると、問題関心や研究テーマは以下とのことです。
【問題関心】
1 独占禁止法を中心とする経済法における実効的なエンフォースメントの仕組み
2 規制産業における支配的事業者による排除行為に対する独占禁止法規制
3 知的財産権の濫用的行使に対する独占禁止法規制
4 米国反トラスト法及びEU競争法を中心とする競争法の国際比較
5 東アジアの競争法の共通課題の検討と競争法整備支援
【現在の研究テーマ】
1 独占禁止法の違反行為類型別にみたルール形成の現状と課題
2 不公正な取引方法規制の再編成
3 金融分野における独占禁止法の適用
4 東アジアの競争法と競争法整備支援
最近の論文等
「独占禁止法の「法執行」と「法実現」 : 公正取引委員会の活動様式」 公正取引 / 公正取引協会 編 (867) 41-47, 2023-01
「独占禁止法の構造的課題:なぜ,分かりにくく,使いにくく,守りにくいのか」 白鴎大学法政策研究所年報 14 19-43, 2022-03
「独占禁止法上の確約手続の課題 」同志社法学 73(6), 1371-1407, 2021-12
「山陽マルナカ事件東京高裁判決 : 東京高判令和2・12・11(平成31年(行ケ)第9号審決取消請求事件)」NBL (1198), 97-103, 2021-07-15
「独占禁止法のエンフォースメントの諸相」白鴎法学 26(1), 209-224, 2019-06
「独占禁止法の行政的エンフォースメントの再評価」上杉秋則・山田香織編著『独禁法のフロンティア』(商事法務・2019年)
「独占禁止法違反行為類型と法科大学院教育」千葉大学法学論集32巻3・4号62(1)-30(33)頁(2018年)
「排除行為規制の現状と課題」金井貴嗣・土田和博・東條吉純編『経済法の現代的課題(舟田正之先生古稀祝賀)』(有斐閣・2017年)175-195頁
「独占禁止法の行政的エンフォースメント―排除措置命令とその手続を中心に」日本経済法学会年報38号67-89頁(有斐閣・2017年)
「独禁法判例研究会報告 東京都発注個人防護具入札談合事件[平成29.12.12排除措置命令]」公正取引 (816), 98-105, 2018-10
※過去問の分析をされており、注目ですね↓
「司法試験 論文式試験(選択科目)「経済法」試験問題の分析」公正取引 (811), 52-62, 2018-05
栗田先生の執筆(共著)の概説書はこちら↓
基本7法の考査委員はこちら☟
その他おすすめ記事です