こんにちは、コポローです。
今回は、夏休みスペシャル(少し遅くなってしまいましたが)として、会社法の学習に役立つおすすめのノンフィクションを厳選して紹介します。
会社法は、刑法や民法と違い、非日常的なテーマを扱っているため、学生さんにはイメージがわきにくいです(私もそうでした)。
企業活動そのもの、M&A、敵対的買収、株主総会、取締役会、株式市場、物言う株主などに関するイメージが持ちやすくなれば、勉強もしやすくなると思います。
そこで、今回は、会社法の学習(イメージ理解)に役立ち、かつ、おもしろいノンフィクションを3つ厳選して紹介します!
(本記事には広告が含まれています)
(1)関西スーパー争奪ドキュメント混迷の200日
2021年のニュースをにぎわせた関西スーパー争奪戦に関するドキュメント。
企業買収や株主総会についてイメージをつかめます。
ストーリーもめっちゃ面白いです(業界の闇も垣間見えます)。
※出版社による紹介
「スーパーの教科書」と呼ばれた関西スーパーを巡り、阪急阪神百貨店を展開する関西地盤の「エイチ・ツー・オー リテイリング」(H2O)と、関東圏のディスカウント大手「オーケー」は熾烈な争奪戦を繰り広げた。
「関西スーパー争奪戦」として産業界の注目を集めたこの問題は、なぜ混迷を極め、司法判断は揺れたのか。経営統合を巡る激しい争いの裏で、何が起きていたのか。H2Oとオーケーの思惑、争奪戦の教訓、そして、「関西フードマーケット」として再出発を遂げた関西最大級のスーパー連合の新たな戦略とは?
株式交換とTOBの対決に始まり、臨時株主総会での0.02%という僅差での可決、そこでの票の取り扱いについて最高裁での法廷闘争にまで発展した「関西スーパー争奪戦」は、同時に、政策保有株式や議決権の取り扱いなど、日本特有の総会運営のあり方の問題点を浮き彫りにした。
争点となった総会での未公開のやりとり、各社長へのインタビューなども収録。怒涛の200日に迫る。
※Amazonレビュー抜粋
・オーケー、関西スーパー、H2Oの当事者だけでなく、投資家や株主、取引先それぞれの視点から本件をとらえていて、わかりやすかった。
・ニュースで見ていたことの経緯が客観的にうまくまとめてあり、私自身は関東在住でオーケーの愛用者だが、なぜここまで関西スーパーにオーケーが強い思いを持っていたのかが、この本を読んでわかった。日本の株主総会の課題についても、よく理解することができた。
・社長インタビューなど資料的価値もあり、丹念な取材をもとに書かれたことがわかりました。争点となった株主総会での手に汗握るような攻防など、興味深く読み進めることができました。
(2)決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月
日本企業のコーポレート・ガバナンス上の諸問題について学べます。
そして、ストーリーがめちゃくちゃ面白い!
出版社による紹介文
「辞任させられたCEOが挑んだ勝ち目のない戦いは類例を見ない大逆転劇を生んだ。ドラマよりドラマティックな企業ノンフィクションの新たな傑作!」
※Amazonレビュー抜粋
・ガバナンスについての抽象論に終始する書籍では真にガバナンスが必要な理由がわからなかった。ここまで詳細にガバナンスの機能不全の原因と経緯について記した書籍は貴重であると思う。
・ビジネス小説でもこのようなストーリーを描くのは難しいのではと思うくらいの展開で一気に読み進められる一冊です。ドキュメンタリーとしてドラマ化して欲しいと思います。また、瀬戸氏の恩師の「へばったら頑張れ」という言葉が胸に刺さりました。あと、会社側提案の取締役候補が一部の方を除き、過去の栄光で生きているという人たちで、よくもこういう人を集めて来たなとあらためて感心してしまうと同時に、この人たちの人間性が分かるような表現が随所に見られ、人としての晩年の生き方も学べた気がします。
・事実は小説より奇なり。ドラマの様な展開だった。それほど古い話ではない事柄を実名で書かれているのでほぼ事実と思われる。著者も訴訟のリスクもありますしね。実際、ここで登場する会社側、元経営者の人間性や資質に関しては今後にも影響するんだろうと思わせる方もいた。感情の部分に関しては、若干脚色してるのか、著者の思いが先行しているかも? 一気に読める興味深いドキュメントです
・まさに「半沢直樹」のような展開で、一気に読ませる一冊でした。また冒頭に、「コーポレートガバナンス」がテーマだとあり、ややこしそうにも思いましたが、読んでみると、コーポレートガバナンスとそれをめぐる日本の現状への書き手の理解が深く、問題点が非常に明快になり、わかりやすく理解することができました。読んでいると、そもそも当初から瀬戸氏側が粘っても勝ち目が薄く、負ければ負けたでプロ経営者としてのダメージが大きいという中で、義憤の一点で、よくやり通したなという感じがします。
(3)村上世彰『生涯投資家』
著者は村上ファンドの主宰者として2000年代に活躍し、最近も多方面で活躍中。
批判も多い著者だが、投資家(とくにアクティビスト投資家)が何を考えているかについてよく分かる良書。
また、日本のコーポレートガバナンスの課題もよく分かる。
※Amazonレビュー抜粋
・現実に起こった事を著者の視点で書かれているのですが、スケールが大きい話が沢山出てきて、物語の様に楽しめました。一気に読んでしまいました。ご本人の事を知らなくても、楽しめると思います。個人的には投資を行う心構えなど、考え方など色々勉強になりました。おすすめの一冊。
・会社は株主のものであり、株主の立場や在り方を世間に周知させた村上氏の功績は高いと推量する。上場する事の意味と意義を理解していない経営陣が殆どである事も事実である。ROEの重要性や非事業性資産の是非も指摘されて当然だとも思う。
・著者をテレビなどメデイアで昔から知っていたが、良いイメージがなかった。しかし、初めて当時の背景を読んでなるほど、そこだったのか!また、著者の心理に触れること日本経済がどうすれば良かった?今後どうすれば良くなるか?わかりやすく説明されている著書
著者への印象が180度変わった。読んで良かったと思った1冊
マンガ版もあります!
今回の記事は以上です。少しでも、みなさんの参考になれば嬉しいです!
それではまた!
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