こんにちは、コポローです。
今日は、民事訴訟法の予備試験考査員(学者枠)について、紹介したいと思います。
予備試験の出題は、司法試験の出題と同様、主として学者委員が問題案を持ち寄り、議論等を経て決まります。
ですので、学者委員の関心や考え方を知っておくことは有益です。
以下では、2023年の予備試験委員(民事訴訟法学者)3名について、専門分野や著作を紹介します。
①佐 瀨 裕 史 (学習院大学教授)
東大卒。留学先はトロント大学。
専門分野は、上訴(特に控訴審)です。
最近の著作
「控訴審における証人の再尋問」『伊藤眞先生古稀祝賀論文集・民事手続の現代的使命』(有斐閣、2015年)
教科書・演習書等はありません。
②川 嶋 隆 憲 慶応大教授
慶応大学卒。
主な研究領域は、既判力です。
最近の論文等
「後訴の提起が信義則に反するとはいえないとされた事例[令和3.4.16最高裁第二小法廷判決]」 民商法雑誌 158 (2), 374-381, 2022-06
「重複起訴の禁止(142条) 」法学教室 (494), 22-27, 2021-11
「鑑定のために必要な処分としてされた死体の解剖の写真に係る情報が記録された電磁的記録媒体が民訴法二二〇条三号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとされた事例[令和2.3.24第三小法廷決定」法学研究 94(6), 147-166, 2021-06
「金融商品取引法19条2項の賠償の責めに任じない損害の額と民訴法248条の類推適用(最判平成30・10・11民集72巻5号477頁)」法学研究 93巻 8号 133-152頁2020年
「民事訴訟法324条に基づく移送決定についての取消しの許否(最決平成30・12・18民集72巻6号1151頁)」 私法判例リマークス60号 122-125頁 2020年
「和解目的で開示された情報の訴訟手続等における利用制限」熊本法学 (145), 169-210, 2019-03-25
「既判力とその補完法理に関する一考察」民事訴訟雑誌 (64), 167-175, 2018
「既判力の補完・調整法理の諸相(2・完)遮断的作用の拡大局面を中心に」熊本法学(141), 47-101, 2017-12
教科書・演習書等はありません。
下記の専門書を刊行されています。
③松村 和德 早稲田大学教授
様々な分野を研究されています。民事執行法の研究やスイスの民訴法の研究も。
最近の論文等
「訴訟担当制度再構築に関する準備的考察」 本間靖規先生古稀祝賀論文集 2022
「民訴法324条に基づく最高裁への移送決定についての取消しの許否[決定/最高裁判所第三小法廷平成30.12.18]」新・判例解説watch : 速報判例解説 26, 153-156, 2020-04
「信義則による後訴遮断と訴権の濫用」加藤新太郎先生古稀論集「民事裁判の法理と実践」(2020・弘文堂)265-284,
「権利能力なき社団と不動産をめぐる訴訟における当事者論」法学教室 (445)10頁 2017
「手続集中理念と裁判官の積極性」民事訴訟雑誌 (63), 52頁 2017
(判例評釈)本訴請求債権が時効消滅したとされることを条件とする,反訴における当該債権を自働債権とする相殺の抗弁の許否(最判平成27年12月14日民集69巻8号2295頁)早稲田大学法務研究論叢 (2), 239-253, 2017
松村先生の教科書(共著)です
☝やや古いですが、演習書(隠れた良書)です。
※レビュー抜粋
「民事訴訟法の基礎理論を凝縮して主要論点を集めた良質な演習教材。演習問題は重要判例を下敷きにしていて百選ベースの答練に向いているし、何より各章の冒頭に掲載されている基礎知識の解説がコンパクトかつ網羅的でわかりやすい。司法試験対策に欠かせない良本。」
上記3先生の論文や判例評釈(百選の解説)等を見かけたら、積極的に読んでいきましょう!
それではまた次回!!
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